九月、梨花は真夏と庭の菜園を世話しながら、少しずつ日常を取り戻していた。真夏は「自分が野菜を育て、梨花が料理する」という小さな未来を思い描き始める。そんな折、梨花が作った煮びたしと汁物を食べた秋祭りの責任者が、亡き祖母の味を思い出し、梨花に祭りの仕出しを任せたいと申し出る。食卓では、真夏と陽菜も料理を通して祖母の記憶を感じ取り、それぞれに祭りを成功させようと動き始めていた。夜、伯父から依頼を告げられた梨花は迷うが、真夏の「やさい、まなつがつくるよ」という言葉と、陽菜の支えを受け、「……やる」と引き受ける。祖母の味は過去の思い出ではなく、家族の手から次の季節へ受け継がれようとしていた。 […]