このような価値のあるアナログ録音の傑作は是非とも LP でも聴かなければならない。
メータとロサンゼルス・フィルの1970年代の相性は良く、肉付きの良い骨格の太い造形を見せつつ金管、木管がとても色彩的且つ澄明な響きの音楽をつくっていたようで、極めて健康的なチャイコフスキーと言える好演。そのオーケストラ・サウンドは明晰さと明るさに支配され、しかも芯のある重量感も併せ持つ。そうしたメータとロサンゼルス・フィルでチャイコフスキーの交響曲全6曲を1977年8月に一気呵成に録音した。
メータの解釈は奇を衒うことのない正統なもので、全6曲は満遍なくバランスが宜しい。その前に立ちはだかるのは超弩級の演奏。「悲愴」は洗練と情熱においてカラヤン/ベルリン・フィル (EMI) による弩級の演奏があり、第4番にはモントゥー/ボストン響 (RCA) の名演もある。これらは多くの音楽ファンの間で長い間愛聴されてきたものです。
エンジニアはジェームズ・ロックで、集中的に行われた録音セッションにより音質はレベルが揃っています。それを成し得たのも“名曲・名演奏・名録音と三拍子揃ったレコード文化”が創りあげた、アナログの素晴らしい録音があるからである。
指揮者とオーケストラの関係は最高、録音は超優秀と理想的なアナログ条件が整った。チャイコフスキーの全集の中で最も音の良いものでしょう。録音で買うならこれ。
ヴィンテージ・レコードのプロダクト・クレジットとノート
オーケストラ
ロサンジェルス・フィルハーモニック
指揮者
ズービン・メータ
作曲家
ピョートル・チャイコフスキー
曲目
交響曲3番「ポーランド」
録音年月
1977年8月
録音エンジニア
ジェームズ・ロック
録音レーベル
DECCA/LONDON
レコード番号
CS7154
録音種別
STEREO
製盤国
GB(イギリス)盤
レーベル世代
RED WITH SILVER LETTERING
レコード盤重量
140㌘
Stamper
4G/3G
製盤年
1978
レコードのカバー、レーベル写真


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