ブルックナー・ファン、ケンペ・ファン、必聴の名盤。
ケンペらしい、ドイツらしい引き締まって美しい弦の響きと、意外に豪快な金管の組み合わせが絶妙な名演。スイスの高級レコード頒布会社Ex Librisから1973年に発売され、録音の優秀さでも話題となりました。権利関係が複雑なためか2000年代までCD化されず、幻の名演としてマニアの間で再発が待望された名盤のオリジナル盤です。

CH exlibris EL16 607
ルドルフ・ケンペ チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
(曲目)ブルックナー:交響曲8番
1971年11月12・13日チューリッヒ、トーンハレ録音。
日本ではLPレコード2枚組としてルドルフ・ケンペが亡くなる直前の1975年に発売され、その解説を担当した評論家宇野功芳が「極めてユニークで内省的な演奏」と紹介しました。アントン・ブルックナーの交響曲8番は評判のハンス・クナッパーツブッシュや朝比奈隆、後年話題になったギュンター・ヴァントらの盤と聴き比べても、ケンペ盤は同じようなアプローチのようでいて、宗教性とか、虚心坦懐に音楽と向き合うとか、そういう言葉では括れない態度を感じます。
ケンペは言う究すべきではない。めぐり合うべきである。
さがすということは、意識的な小細工を意味する。めぐり合うのは、作曲者とその音楽に対する献身の結果である。
〝内省的〟とは、神に畏怖しながらも、萎縮することなく対峙しているケンペの裸の心を評言している。
CH TUDOR 74003/4
ルドルフ・ケンペ チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
(曲目)ブルックナー:交響曲8番
1971年11月12・13日チューリッヒ、トーンハレ録音。

この盤はケンペが亡くなくなる直前にTUDORレーベルから発売された、Ⓟ1974盤。オリジナルのEx Libris盤は、Ⓟ1973。この録音は70年代前半に登場した4チャンネル再生システム用に録られたこともあり残響豊か。チューリヒ・トーンハレのホールトーンを感じさせており、ブラスが響きわたるときの充実感は特に素晴らしい。

解説書表紙

カバー裏表紙

レーベル写真
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