Erotical Music Review and My Ecstatic Experience.


楽曲そのものに語らせるかのようにふくよかで、情感を前面に打ち出した ベーム ウィーン・フィル ブラームス 交響曲全集

Soap.nmm.jp

SACDの紹介

3枚組のCDセットには、交響曲のあと、1976年と77年に収録された『ハイドンの主題による変奏曲』『悲劇的序曲』『アルト・ラプソディ』が組み合わされており、こちらも高水準な仕上がりです。中でも『アルト・ラプソディ』はスケールの大きな演奏で、厳しく彫琢されたオーケストラ・サウンドをバックに、クリスタ・ルートヴィヒがほの暗い声で切々と歌い上げ、ウィーン楽友協会合唱団の男声団員の面々が深々とした合唱であたたかく締めくくっています。

巨匠ベームが慈しんで演奏し続けてきたブラームスの、初の全曲盤。1976年度レコード・アカデミー賞受賞盤

JP DGG MG8194/7
(演奏者)カール・ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニア管弦楽団
(曲目)ブラームス 交響曲全集

齢80近くになって幾度も来日していた老マエストロ、ベーム、同時期活躍していた帝王カラヤンに対抗する存在として、巷間、動と静、華麗と堅実、スポーツカーとクラシックカーといったような比較が言われていたのを記憶していますが、ドイツ音楽の神髄を追求し続けて熟成された指揮に溜飲を下げるセットである。第1番第1楽章の序奏部における壮大な力感表出などさすがですが、一方で、第4番では、晩年のベームならではの渋味を含んだ味わいのある情感が深い感動を呼び起こします。ウィーン・フィルの響きも充実した美しいもので、名コンマス、ゲアハルト・ヘッツェルによる第1番第2楽章の甘美なヴァイオリン独奏や、独特の濃厚な音色の木管ソロのなど、ムジークフェラインザールならではのトゥッティの素晴らしい響きと相まってトータルな魅力を実感させてくれます。録音場所は総てウィーンのムジークフェラインのグローサー・ザールで優れた残響まで余すことなく刻まれています。

2019年に生誕125周年を迎えたオーストリアの巨匠指揮者カール・ベーム。日本には1963年ベルリン・ドイツ・オペラと共に初来日、その後はウィーン・フィルやウィーン国立歌劇場と共にたびたび来日し、空前の反響を呼んだというベーム&ウィーン・フィル初来日公演の直後、1975年の5~6月にウィーンのムジークフェラインザールでセッション・レコーディングされたもので、日本でも年内に緊急発売されて1976年度レコード・アカデミー賞を受けるなど各方面から絶賛された名盤です。その出来たるや、ベームらしい揺ぎない構築力を示す堂々たる演奏内容で、オーケストラがウィーン・フィルということもあって、どっしりしたフレームの中で、楽員がニュアンス豊かな音楽を展開する様子は実に魅力的。

録音:第1番1975年5月5,6日、第2番1975年5月6,7日、第3番1975年6月2,4日、第4番1975年5月9日ウィーン・ムジークフェラインザール

ヴィンテージレコードのプロダクト、クレジットとノート

オーケストラ

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

指揮者

カール・ベーム

作曲家

ヨハネス・ブラームス

曲目

交響曲全集

録音年月日

第1番1975年5月5,6日、第2番1975年5月6,7日、第3番1975年6月2,4日、第4番1975年5月9日

録音場所

ウィーン・ムジークフェラインザール

録音レーベル

Deutsche Grammophon

レコード番号

MG8194/7

録音種別

STEREO

製盤年

1976

レーベル世代

日本ポリドール製初期BLUE LINE 国内初出

Stamper

ドイツDGG同一スタンパー 2563 *** S3 使用盤

レコード盤枚数

4枚

レコード盤重量

130㌘

製盤国

JP(日本)盤

会社変遷史:1953年4月日本ポリドール株式会社が設立。1956年、日本グラモフォン (Nippon Grammophone Co., Ltd.) に改組。1959年、ステレオ・レコード発売開始。第1号はロリン・マゼール指揮ベルリン・フィル、ベートーヴェン交響曲第5番「運命」(SLGM-1)から偉大ドイツグラモフォンわが国でスタートした。1971年11月、ポリグラム傘下のポリドール株式会社(Polydor K.K.、以下ポリドールK.K.)に社名変更。ということで「日本グラモフォン社」と印刷されているジャケは全て1971年以前となることからお届けする盤の製造年月日お判りいただけると思います。参考としてSLGMは日本グラモフォン時代の初期のチューリップ、MGはノーマル(このMG****がオリジナル盤も存在)に分別できますが日本グラモフォン最後期盤といえども50年経過していて当時のオーディオ・カートリッジ品質勘案すると「ニアミント盤」発掘は今となっては困難極めています。