Erotical Music Review and My Ecstatic Experience.


奇跡の証明★バルビローリ指揮ニュー・フィルハーモニア、ベイカー マーラー・交響曲第5番、リュッケルトの詩による5つの歌曲

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ジョンの深い読みの解釈がベルリン・フィルの団員を感動させ、一人の指揮者の音楽に対する共感がオーケストラという人間の集団を魔法に包んだ超一流芸術家の貴重な遺産。

 第二次世界大戦中に、40歳代という指揮者としての大活躍が出来ただけに、長生きしてマーラーの交響曲全曲を完結して欲しかった。1943年に帰英後、ハレ管弦楽団の音楽監督に就任するが、戦前の腕達者の楽団員は戦争から帰ってこなかった。どれほどのオーケストラだったといえども指揮者だけでは何もならない。まずはオーケストラの立て直しからがジョン・バルビローリの仕事だった。しかし健全な男性奏者は集まりそうにない。バルビローリが前代未聞の女性楽団員を多く募って戦後の新制ハレ管弦楽団を再開する。
 「1日16時間の仕事」、「1日1食も珍しくない」といった勤勉ぶりで、技量やアンサンブルは超一流とはいかないがバルビローリ自らが採用したメンバーを含む心あたたまるサウンドは、感興の豊かさ初々しさは段違い。そうした彼の人生の一面。そこで、イタリア人の血とフランス人の血を受け継いでいるバルビローリの音楽は持ち前の甘いカンタービレで聞き手の脳髄を痺れさせる。劇場専門の指揮者の棒からは生まれ得ない音楽作りも大きな魅力である。
 バルビローリが振るマーラーは、一級のオーディオファイル盤として通用する優秀録音だ。

《英初期カラー・スタンプ・ドッグ盤[オリジナル]》
GB EMI ASD2518-9 バルビローリ マーラー・交響曲5番/リュッケルト歌曲集

1969年、ステレオ録音。優秀録音、名演、名盤、リーフレット付属。

 バルビローリの魅力は情感豊かな演奏で、マーラーに関しては客観的な楽曲の構築と正確なテンポ設定に裏づけされています。そしてまた、ジョンの深い読みの解釈がベルリン・フィルの団員を感動させ、一人の指揮者の音楽に対する共感がオーケストラという人間の集団を魔法に包んだ奇跡の証明を残されたレコードを聴いて感じるのです。
 バルビローリの魅力が一杯詰まった聴きごたえ満載の不滅の名盤に耳傾けてください。このレコードからも“いっときも無駄にしないぞ”と懸命に生き抜いた気合の証左として、随所に「うなり声」が聴こえます。四面には、ジャネット・ベーカーの歌を加えて収録した「リュッケルトの詩による5つの歌曲」。こちらも、余白埋めでは済まされない名演です。

ヴィンテージレコードのプロダクト、クレジットとノート

演奏者

ジャネット・ベイカー

オーケストラ

ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

指揮者

ジョン・バルビローリ

作曲家

グスタフ・マーラー

曲目

  1. 交響曲5番
  2. リュッケルトの詩による5つの歌曲

録音年

1969

録音レーベル

EMI

レコード番号

ASD2518-9

録音種別

STEREO

レーベル世代

EARLY COLOR STAMP DOG ORIGINAL

レコード盤枚数

2枚組

レコード盤重量

130g/130㌘

Stamper

2/1G 1/1

製盤国

GB(イギリス)盤

製盤年

1969

ノート

優秀録音、名演、名盤、リーフレット付属。

バルビローリにはベルリン・フィルの団員から請われて録音したマーラーの第九があります。バルビローリが振るマーラーは、一級のオーディオファイル盤として通用する優秀録音。バルビローリの演奏は情感豊かな演奏とよく言われますが、マーラーに関しては客観的な楽曲の構築と正確なテンポ設定に裏づけされた演奏だと思います。そしてまた、一人の指揮者の音楽に対する共感が、オーケストラという人間の集団を魔法に包んだ奇跡の証明とも思っています。
 ジョンの深い読みの解釈がベルリン・フィルの団員を感動させたとも聞いています。長生きしてマーラー全曲完結してほしかった。

バルビローリ最晩年の、数少ないマーラーの正規スタジオ録音。人気のマーラー5番の中でも屈指の名演として知られる一枚。同じく名盤として知られるバーンスタンのような劇的なドラマとは対照的ながら、じっくりとマーラーの耽美的な旋律の美しさを堪能できる、感動的な名演です。リュッケルト歌曲集もベーカーの名唱が素晴らしい名演です。
 初期カラー切手オリジナル盤としてはコンディションも上々です。

カラー切手ドッグ》 赤の地にセミサークルラベルの上半分の半円の中に描かれていた蓄音機とニッパー君の絵の部分が四角い縁取りで囲まれ、ちょうど切手(スタンプ)のように見えるためです。ASD2470 あたりから 2750 あたりまではカラー・ニッパーがオリジナルで、これ以降はモノクロのニッパーが初版ということになる。盤自体のクオリティがとても高く、ばらつきも少なく優秀なプレス技術といえます。安定したトレースの優れたモノクロ切手と比べてもノイズはごく僅かでコンディションの良好な初期カラー切手オリジナル盤です。