9月19日の録音史ブリーフィング
本日は、録音日が1960年代以降の作品で比較的はっきり確認できるものを優先しました。クラシックについては、今回確認できた資料の範囲では、9月19日単独の著名な商業録音を十分な確度で特定できなかったため、無理に発売日や録音期間だけの情報を混ぜていません。
1955年9月19日|エロール・ガーナー『Concert by the Sea』
演奏者:エロール・ガーナー(p)、エディ・カルホーン(b)、デンジル・ベスト(ds)
録音場所:サンセット・スクール講堂(現サンセット・センター)、カーメル=バイ=ザ=シー、カリフォルニア
この日のライヴ録音は、のちにジャズ史上屈指のベストセラーとなった『Concert by the Sea』として知られます。ガーナーの奔放なルバート、左手の推進力、三人の演奏が小さな講堂の空気と結びつき、スタジオで設計された音楽とは異なる「その夜だけの完成」を記録しました。録音は1955年9月19日と複数資料で一致し、日付の確度は非常に高い部類です。LPでは、ピアノの打鍵の粒立ちと、会場の自然な反射が一体になって聴こえる点が魅力です。(Wikipedia)
1956年9月19日|クインシー・ジョーンズ『This Is How I Feel About Jazz』関連セッション
演奏者/指揮者:クインシー・ジョーンズ(編曲・指揮)、チャールズ・ミンガス、アート・ファーマー、フィル・ウッズ、ラッキー・トンプソン、ミルト・ジャクソン、アート・ペッパー、ズート・シムズほか
録音場所:Beltone Recording Studios, New York(作品全体にはロサンゼルス録音も含む)
アルバムは1956年9月14日・19日・29日などに分けて録音され、9月19日はその中心的なセッション日の一つです。ジョーンズが大編成ジャズを、単なるビッグバンドの迫力ではなく、音色・対位法・編曲の構造として扱った初期の代表例であり、後年の映画音楽やポップス制作へ向かう彼の原点でもあります。大人数の管楽器を整理しながら、個々の奏者の輪郭を消さない設計は、LPで聴くと編曲の層が見えやすくなります。日付はアルバムのセッション記録として確認できますが、9月19日に録音された曲目の細部は資料によって差があります。(Wikipedia)
参考|クラシック
9月19日については、放送録音や複数日にわたるオーケストラ・セッションの断片は見つかるものの、今回の確認範囲では、録音日・曲目・演奏者を同時に複数資料で確定できる著名なクラシック盤は採用に足る形では確認できませんでした。録音日を重視するなら、今日はジャズの二つの異なる音響――講堂のライヴ空間と、大編成スタジオの配置――を聴き分けるほうが確実です。

今日の聴きどころ
9月19日は、一夜の空気をそのまま保存したガーナーと、スタジオで音響の建築を組み立てるクインシー・ジョーンズが並びます。前者では、演奏者と聴衆の距離、ピアノの余韻、講堂の反射が音楽の一部になります。後者では、どの楽器を前に置き、どの金管を奥へ退かせるかという配置そのものが作曲です。LPで続けて聴くと、ライヴ録音における空間の自然さと、スタジオ録音における音場の設計の違いが、はっきり立ち上がります。
9月19日の録音日ブリーフィング
The Beatles — “Piggies”
- 録音日: 1968年9月19日
- レコード/作品名: The Beatles(通称『ホワイト・アルバム』)
- なぜ有名・重要か: ジョージ・ハリスン作の風刺的な楽曲で、ビートルズ後期の多彩な作風を示す代表例です。この日に基本トラックを録音し、11テイクが作られました。後の追加録音を経て、アルバム収録版として完成します。(The Paul McCartney project)
Grateful Dead — “Turn On Your Love Light”(ライヴ録音)
- 録音日: 1970年9月19日
- レコード/作品名: Fillmore Eastでのライヴ演奏。後年、ライヴ音源・アーカイブ作品で扱われる代表的パフォーマンス
- なぜ有名・重要か: ジョーゼフ・スコット/デドリック・マローン作のR&B曲を、グレイトフル・デッドが長尺の即興演奏へ発展させた定番曲です。ピッグペンのブルース/サイケデリックな語りと、1969〜72年のショー終盤を飾る演奏として知られています。(Pitchfork)
今回は、1968年のスタジオ録音と1970年の歴史的ライヴ録音から、9月19日に実際に録音された代表例を選びました。
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