「楽譜に忠実派」ロンに習っていたが、
ジャズを愛する彼は音符を均等に弾きたくなかった。
〝聴く人を魅了〟する不思議な力
フランソワの魅力は、即興性の一語につきるだろう。
本能的、直感的ともいわれ、
興に乗ったときの素晴らしさ!
ピアノを弾く詩人とも評されたフランソワ
もっともフィットしたのがショパンでした。
フランソワのショパン!
ヴィンテージレコードの楽しみ
ピアノを弾く詩人とも評されたサンソン・フランソワ(Samson François)。彼にもっともフィットしたのがフレデリック・ショパンの演奏でした。
演奏は天才フランソワだけに名演、卓越した技量を持ち合わせていたのは隠しようがないところですが、いささかも技巧臭を感じさせることはなく、その演奏は、即興的で自由奔放とさえ言えるものだ。フランソワの特徴は、ムラ気なことであった。気分が乗らないときの演奏は、呂律が回らないほどであり、気分の良し悪しによる演奏の出来栄えの差が大きかった。が、性格的にも非常に古い芸術家タイプの人間であったので、後年程のくずれた感じは無く一曲、一曲に集中力を感じさせます。
テンポの緩急や時として大胆に駆使される猛烈なアッチェレランド、思い切った強弱の変化など、考え得るすべての表現を活用することによって、独特の個性的な演奏を行っている。「デカダンス」という言葉の似合う天才でした。そうした印象が先行しますが、一聴すると自由奔放に弾いているように聴こえる各旋律の端々には、フランス人ピアニストならではの瀟洒な味わいに満ち溢れたフランス風のエスプリ漂う情感が込められており、そのセンス満点の味わい深さには抗し難い魅力に満ち溢れている。自己主張をコントロールして全体を無難に纏めようなどという考えは毛頭なく、強烈な個性でショパンの名曲を、我が曲のように弾きあげていく。
ショパン弾きと称されているピア二ストは数多く存在しているが、その中でも、サンソン・フランソワは最も個性的な解釈を披露したピアニストの一人ではないかと考えられるところだ。稀代のショパン弾きであったアルトゥール・ルービンシュタインによる演奏のように、安心して楽曲の魅力を満喫することが可能な演奏ではなく、あまりの個性的なアプローチ故に、聴き手によっては好き嫌いが分かれる演奏とも言えなくもないが、本能的、直感的ともいわれ、興に乗ったときの素晴らしさは他に類を見ないもの。
本能的、直感的ともいわれ、興に乗ったときの素晴らしさ。
Samson François plays complete piano works by Chopin (vol.7)

JP TOSHIBA AA-8047 – Sanson François, Chopin – 24 Preludes/ 4 Impromptus


傑
烈
秀
麗
ヴィンテージレコードのクレジットとノート
演奏者
サンソン・フランソワ
作曲家
フレデリック・ショパン
曲目
- 24の前奏曲集作品28
- 4つの即興曲集
録音レーベル
EMI/ANGEL/東芝音楽工業
レコード番号
AA-8047
録音種別
STEREO
レーベル世代
東芝音楽工業(赤盤)
レーベル盤重量
160㌘
Stamper
国内企画 YRJ-1130/1 使用盤
レコード盤枚数
1枚組
製盤国
JP(日本)盤
酒・煙草・ジャズをこよなく愛し、不健康な生活の果てに46歳の若さで逝ってしまったフランソワですが、残された録音はまさにお宝の山。フランソワといえばショパンが人気で、現代のショパン演奏からは大きくイレギュラーですが、こだわりを捨ててピアノ名曲に酔いしれようじゃないですか。
《4つの即興曲》も第2面に加えていますから、日本企画盤ですが音質は素晴らしい。
英仏盤のみならずこの東芝音楽工業時代に制作・録音された時代と同じ空気を感じられるのが初期盤収集の楽しみ。
1960年代初頭リリース・当時の「東芝音楽工業株式会社」製レコードは丁寧な造りで英国直輸入スタンパー使っていた所為か高音質なものが多い。
アナログ的で引き締まった密度のある音と音色で、楽音も豊か。情報量が多く、対旋律の細部に至るまで明瞭に浮かび上がってくる。
高域は空間が広く、光彩ある音色。低域は重厚で厚みがある。オーケストレーションが立体的に浮かび上がる。
モノクロではなくこんなにカラフルで立体的なのは、さすが初期東芝工業盤、ハンドメイドの余韻が感じられます。
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