イエス・キリスト教会の響きの美しい名録音と、のびやかに歌い上げてゆく、フルニエならではの至芸を聴くことに、一番の趣と味わいがある演奏だ!

のびやかな〝うた〟が魅力的
Pierre Fournier, George Szell, Berliner Philharmoniker. – Dvořák ; Cellokonzert
ピエール・フルニエが米CBSに録音する見返りにジョージ・セルがベルリン・フィルを振ることで成立した唯一のセッション。
DE DGG 2535 106
(演奏者)ピエール・フルニエ(チェロ) ジョージ・セル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(曲目)ドヴォルザーク・チェロ協奏曲
RESONANCE盤。フランスADFディスク大賞、ドイツ・レコード批評家賞受賞。
フルニエのドイツグラモフォン時代の録音の中でも殊更評価が高く、ステレオLP時代を通じて、ロストロポーヴィチ/カラヤン盤(ドイツグラモフォン)と並び最高の名演とされていた1961年録音の歴史的名盤。これは1975年に再販プレスされたもの。

1962年6月ベルリン録音。録音は、ベルリン郊外のダーレム地区にあるイエス・キリスト教会で行なわれました。1950年代初頭から1972年までベルリン・フィルの録音がほぼ独占的に行なわれていたこの教会は、深みのある豊かな響きが特徴ですが、アナログ時代のドイツグラモフォンの名エンジニア、ギュンター・ヘルマンスは、その中でチェロ独奏を美しく明晰に際立たせつつ、その背後に大きく広がるオーケストラのソノリティを余すところなく録音に収めています。
― その演奏スタイルとノーブルな容姿から〝貴公子〟と謳われたフランスのチェリスト、フルニエ2度目となるドヴォルザークの代表的な録音。フランスの名チェリストであったフルニエがセルの指揮するベルリン・フィルハーモニーをバックに、1960年代初頭に録音した名盤の誉れ高いドヴォルザークのチェロ協奏曲。この協奏曲に内在する郷愁や憧憬を雄大なスケールで、しかも詩情豊かに表現した名演です。
ヴィンテージLPの人気盤となるとカザルス、ジャクリーヌ・デュ=プレ、ロストロポーヴィチを指折れるドヴォルザークのチェロ協奏曲。
独奏のチェロとオーケストラとががっぷり四つに組んでぶつかり合う感じではなく、オーケストラとチェロとが室内楽みたいに掛け合いながら、のびのびと旋律を奏で、歌い上げていく雰囲気がフルニエ盤の魅力。フルニエのチェロのカンタービレな歌いぶりもいいし、ベルリン・フィルの管楽器群、殊にフルートやクラリネット、オーボエといった木管楽器の演奏が聴きどころ。歌わせるところではゆったりとメロディーを歌わせ、締めるべきところではぴしっと締めてアンサンブルを整えるマエストロ・セルの熟練の棒さばきの見事さ。これは、セルの下、フルニエとベルリン・フィルがドヴォルザークの歌をのびやかに歌い上げてゆく、そこに一番の趣と味わいがある演奏です。
土臭さ満載のこの協奏曲から、これほどまでに温かくノーブルで、しかも繊細な響きを引き出しているのは、まさにフルニエならではの至芸といえるでしょう。この協奏曲は、フルニエにとって愛奏曲の一つであり、そのフルニエのドイツグラモフォン時代の録音の中でも殊更評価が高く、ステレオLP時代を通じて、ロストロポーヴィチ/カラヤン盤(ドイツグラモフォン)と並び最高の名演とされていた1961年録音の歴史的名盤です(フランスADFディスク大賞、ドイツ・レコード批評家賞受賞)。
傑
烈
秀
麗
レコードのディティール、プロダクト


ヴィンテージレコードのクレジットとノート
演奏者
ピエール・フルニエ
オーケストラ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者
ジョージ・セル
作曲家
アントニン・ドヴォルザーク
曲目
チェロ協奏曲
録音年月
1962年6月
録音場所
ベルリン、イエス・キリスト教会
録音エンジニア
ギュンター・ヘルマンス
録音レーベル
Deutsche Grammophon
レコード番号
2535 106
録音種別
STEREO
レーベル世代
BLUE LINE
レコード盤重量
110㌘
レコード盤枚数
1枚組
製盤国
DE(ドイツ)盤
製盤年
1975
フランスADFディスク大賞、ドイツ・レコード批評家賞受賞。これは1975年に再販プレスされたRESONANCEシリーズ盤。
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