カラヤンによるプッチーニの歌劇「蝶々夫人」は2回目のスタジオ録音。初回は1955年のモノラル録音で、蝶々夫人にマリア・カラス、ピンカートンにニコライ・ゲッダを据えるという豪華布陣で、ミラノ・スカラ座管弦楽団や合唱団の好演もあって、今なお色褪せることがない名盤です。それを上回る完成度を求めたカラヤンは、70年代においてこれ以上ない超豪華歌手陣をキャスティング。フレー二による瑞々しい美声の蝶々夫人、パヴァロッティの色男ぶりが冴えるピンカートン、加えて蝶々夫人の召使役のスズキをクリスタ・ルートヴィヒが演じるという贅沢さもカラヤンならではでしょう。そしてこれもカラヤンならではと言えるのが、「帝王」ゆえのプレス枚数の多さで、初期盤でも市場流通量が多く、リーズナブルに入手できること。価値の高いお勧め盤です。
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