Erotical Music Review and My Ecstatic Experience.

〈愛がこわれるとき〉幻想交響曲 「ある芸術家の生涯のエピソード」

18360

失恋をきっかけに作った曲が、その後のクラシック音楽のあり様を大転換した。ベルリオーズは、このリストを介して、ウィーンから逃れるようにパリにやって来たショパンとも知り合う。
この頃は超絶技巧のピアニストだったリストは、ジャニーズ級のアイドルで、そのパフォーマンスで多くの婦人たちは失神するほどだった。やがてリストは、マダム・ダグーと逃避行。消息を絶ったリストは、旅の途中で死んだ、という流言がひろがり。リストはパリに舞い戻る。そして、後期ロマン派音楽の中心人物になっていく。
フランス革命が起こり、バッハやモーツァルトといったバロック音楽の作曲家は忘れられた。ベルリオーズはクラシック音楽に新しい風を吹き込んでいく。

革新的な管弦楽法。標題音楽の創案者 ベルリオーズ Louis Hector Berlioz

自由奔放な性格を持った最もロマン派的な作曲家。幼少の頃からすこぶる感受性が強かったベルリオーズ少年はウェルギリウスの数節で涙したという。医者の家に生まれたため大学では医学を学んだが、途中で音楽学校に転校し、作曲の道を歩むようになる。
長じてからは一連の恋愛事件甚だしい。
27歳で大作「幻想交響曲」を作曲し、まもなくローマ大賞を獲得してローマに遊学した。
ベルリオーズはマリー・モークと婚約していて安心していたのか、モークの母はベルリオーズを好ましく思っておらず、ベルリオーズがローマに滞在中の隙をついて、モークの母は娘をピアニストでピアノ製造家のカミーユ・プレイエルに嫁がせた。
そのことを手紙で知ったベルリオーズは、この時パリに引き返し、女中に変装してモーク母子を殺害し、自殺を図ろうと企んだ。。。。が、旅馬車を雇い、長距離を日夜休み無く走らせたことでトラブルに遭遇。ニースにたどり着くまでに女装用の服を紛失したため気が変わった。殺人未遂で終わった。
ベートーヴェンの音楽の中では、古典主義の骨格、そしてロマン派の萌芽が既に内包された音楽になっていた。彼は、形式を土台として精神は、進取のロマン派の音楽であったところが、ベルリオーズ(1803~1869)の音楽は、純粋なロマン派の音楽として君臨したのであった。教会の奥で埃を被り、バザーに出せないものかという扱いだったヨハン・ゼバスティアン・バッハのマタイ受難曲を蘇演したメンデルスゾーンが作曲した、合唱付きの交響曲、交響曲第2番変ロ長調作品52「讃歌」の初演は1840年のことで、当時の年表をひもとくとワーグナー(1813~1883)がその活躍を始める時期と重なることが分かるのは、興味深い。
「幻想交響曲」は、ベートーヴェンの死後数年を経ずして書かれたにもかかわらず、全曲を一貫する「固定概念」という新しい手法を編み出したり、また膨大な楽器編成による色彩豊かで革新的な管弦楽法は、リストその他のロマン派の作曲家たちに大きな影響を与えた。

GB LONDON CSA2101 エルネスト・アンセルメ ベルリオーズ「幻想交響曲」「序曲 海賊 」(リハーサル盤付2枚組)
GB LONDON CSA2101 エルネスト・アンセルメ ベルリオーズ「幻想交響曲」「序曲 海賊 」(リハーサル盤付2枚組)
  • GB LONDON CSA2101 エルネスト・アンセルメ ベルリオ…
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エルネスト・アンセルメはフランス語圏スイス・ジュネーブ出身とあってフランス物録音を広範囲にわたって行い、その正確さ、きめ細かさにより理想の演奏者と評されていました。
数学者でもあったアンセルメはパリ、ソルボンヌ大学にも籍を置き、エルネスト・ブロッホには作曲法を学んでいた。1918年秋に、スイス・ロマンド管弦楽団を組織して1966年まで常任指揮者に就任、1967年に後任はパウル・クレツキ。その頃のイギリス・デッカ録音に、「幻想交響曲」がある。オーケストラは、もちろん、スイス・ロマンド管弦楽団。スイスはフランス、ドイツ、イタリア、ロマンスという四つの使用言語地域に分かれていて、フランス語地域をスイスロマンドと言う。
アンセルメが手兵スイス・ロマンド管弦楽団とこの作品をレコーディングしたのは彼の最晩年1967年、つまり彼のラスト・レコーディングになったニュー・フィルハーモニア管弦楽団とのストラヴィンスキーの舞踊音楽「火の鳥」全曲録音(1968年)の前年のことだった。
アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団のこの演奏よりも不気味な演奏はない。これほど楽器とアンサンブルで狂気を表現できるものなのか。
彼らの趣味の良さは印象派では良い結果を生むが、ベルリオーズとは異質ということか。
楽器はどれも効果的にあつかわれているけれども。特筆なのは4本のバソンと低音群、ティンパニ、そして終楽章の鐘の音です。
アンセルメの最も初期のデッカ録音FFSS録音からの真骨頂。
本セットはアンセルメの生の声が聴ける貴重な「リハーサル盤」付きで、いかにFFSS録音が素晴らしいか堪能できます。
リハーサル盤は30㌢LPレコード両面に渡り第1楽章からフィナーレの第5楽章まで収録されており大変聴きごたえがあるものになっている。スイス・ロマンド管弦楽団はフランス語が話されているジュネーヴを拠点に置くオーケストラで当地出身のアンセルメも当然のことながらフランス語でリハーサルRépétitionを行っている。良く聴きこんでいくと緻密できめ細かな指示が手にとるように伝わってくる。まるでアンセルメと居合わせているかのよう。時には歌いながら指示するところなどは大変興味深い。

6月27日からの変更 – ブログ[アナログサウンド アマデウスレコード]が投稿数ランキング1位になりました!

今月もてぃーだブログの投稿数ランキング1位をいただきました。それで、1日30回を超えることもあった更新回数を、8月11日19時30分の投稿から毎日20回以内に減らしています。9月に見直して、10月25日23時15分の投稿から、30分拡大して、1時間45分と、2時間45分に拡大しました。
そして、今2024年3月も投稿数ランキング1位になりましたので、調節を更新して、2025年6月27日22時00分投稿から、投稿タイプ別に4時間15分から4時間45分、5時間00分から5時間30分、5時間30分から6時間00分へと変更して投稿しています。なお2024年3月7日15時時点、2025年7月27日の投稿を作成している最中です。


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